2015年の12月1日、労働安全衛生法に基づき、「ストレスチェック制度」が施行されました。その内容は、「従業員50人以上の事務所は、社員のメンタルヘルス対策の強化をすることが急務とされた。」というものです。この法律の目的は、「職場における労働者の安全と健康を確保すると同時に常に、心理的な負担の程度を把握し、軽減することを義務づけること」にあります。多くの労働者が一日約8時間以上も過ごす職場環境も、メンタルヘルスに大きく影響します。近年では、ストレスフリーな職場を実現するため、オフィスレイアウトを工夫している会社が数多くあります。これから、それらの会社のオフィスを紹介していきますので参考にしてください。

遊びの空間で仕事できるgoogleの「L4」

「遊びの空間」?と思えるくらいの、ストレスフリーの仕事場を実現した「L4」と呼ばれるgoogleのロンドンオフィス。頭脳を使う社員たちのストレスを軽減し、クリエイティビティを引き出すために、いろいろな工夫が施されています。テレビゲームやビリヤードを楽しめる部屋、ソファでくつろぎながら休憩や仮眠ができる部屋、コーヒーブレイクのためのカフェなど、リラックスするためのスペースがふんだんに用意されているのです。
また、壁や廊下、机などに赤や青、黄色や緑などの色が使われていて、オフィスの落ち着いたイメージを打ち破った、カラフルな色合いも、ストレスを軽減させる効果を発揮しています。「リラックスしている時に、いいアイディアは生まれる」そんな言葉を証明するようなストレスフリーのオフィスです。

まるでひとつの街?Facebookの「MPK20」

2015年春、ひとつの街のようなFacebookの新オフィスが、カリフォルニア州メンロパークに設立されました。広さも野球場8個分の敷地内に建てられています。
新オフィスを手掛けたのは、建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞した著名建築家のフランク・ゲーリー氏。彼が手掛けるオフィスとして、以前から話題になっていました。この「MPK20」のデザインは、CEOのマーク・ザッカーバーグの要望を反映したもの。周囲の自然と調和し、目立たないように設計されています。
建物内部の天井は高く、部屋の仕切りにガラスを使って開放感あふれる空間を演出する工夫が施されています。オシャレなアートをたくさん展示するなど、社員がストレスや不便を感じにくい遊び心が用意されています。
さらに、レストランやカフェが9軒(社員は基本的に無料)、銀行や病院、床屋やジム、音楽スタジオやクリーニング屋にゲームセンターまで併設。まさにひとつの街のようなオフィスなのです。

ストレスを軽減するオフィス形態

大手の会社であれば、オフィスにお金をかけてストレスフリーの環境を用意できますが、会社の規模によっては、実現が難しいのが本音でしょう。そこで、コストをあまり掛けずにストレスフリーの職場を実現する方法として、サテライトオフィスを設置している会社があります。都心などにある本社とは別に、郊外にオフィスを構えることで、郊外に住むスタッフが通い易くなり、コスト削減と通勤時間の短縮を図ることに成功しました。通勤時間短縮になることで、通勤で疲れることもなく、仕事に打ち込めるようになり、結果生産性が向上するのです。

まとめ

今回紹介したように、対人関係や業務以外にも、職場環境がストレスに大きく影響しているのが事実。国も働く人のストレスを会社が把握し、少しでもストレスフリーの環境を提供するように法律を定めています。職場環境以外にも、通勤時間のストレスを軽減する工夫を施すことにより、社員のクリエイティビティを引き出すことに成功している例もあります。
会社は、生産性を上げるオフィスについて考える時、社員のストレス軽減を意識すると、業績の向上にも繋げられます。