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2016年6月28日
セキュリティを向上させるオフィスレイアウトのポイント
オフィスのセキュリティ対策というと、まず始めに警備会社と提携を組むなど、何重にも設定した鍵対策などが頭に浮かぶ人が多いでしょう。
確かに鍵のセキュリティ周りを厳重にするのは大切です。
しかし、セキュリティ上の犯罪・事故・情報漏洩など企業のリスク対策を考えると、施錠を頑丈にしただけでは不十分な場合があります。
ここでは、ゾーンセキュリティとも呼ばれるオフィスレイアウトを中心に、オフィスのセキュリティについて守るべきポイントを挙げてみましょう。
入り口に受付スペースを作る
少ない労力で大きな成果を出すのが受付スペースのレイアウトの変更。
セキュリティが弱い会社にありがちなのが入り口に鍵がかかっておらず、日中は誰でも入退室が簡単にできる作りになってしまっていること。下手したらオフィスの入り口が空きっぱなし、なんて会社もあります。これでは「誰でも入ってください」と言っているようなもの。この問題を改善するには、オフィスに入る手前に間仕切りで受付スペースを作り、来客時の対応にワンクッション置くようにします。そして、受付スペースから、オフィススペースに入る際には暗証番号キーや磁気カード、ICカードなどの施解錠システムを導入して入室の制限をかけます。
こうすれば、社員や関係者しか入ることができず、セキュリティはバッチリ。
ゾーンセキュリティを意識する
大事な書類やデータなどの不正な持ちだしや情報漏洩を防ぐには、「ゾーンセキュリティ」にのっとったレイアウトを意識することが効果的です。
ゾーンセキュリティとは、セキュリティ観点での境界線を想定し、そのうえでオフィス空間を細かく区画化(ゾーニング)することです。たとえば、 “フロアがすべて区切りなし、一般社員から役員まですべて同じデスクの並びにいる”で風通しの良さをアピールする会社があったとします。しかし、重要な書類や機密事項を扱う役員が、一般社員と机を並べることはセキュリティ面から見ると良いとは言えません。
受付、執務室、役員室など、それぞれのセキュリティレベルごとにフロアを区切り、防犯システムを取り入れることで、大事な書類やデータ、時には個人情報などの不正な持ち出しや盗難、流出を予防することができます。
間仕切りやデスクのレイアウトにも一工夫
ゾーンセキュリティを考える時に同時に頭に入れておきたいのが、“導線”を考えたレイアウト。
入り口から入ってすぐ目の前にデスクが並ぶワークスペースというレイアウトのオフィスだと、万が一不審者が侵入した場合にも、すぐに危険にさらされる状態になってしまいます。
そうならないためにも、できれば入ってすぐのところに壁や会議室入り口ドアなどで遮り、そこから通路を通って一度角を曲がったりしなければワークスペースに辿り着けないようにするなどの工夫が必要。角を曲がることで歩行の速度が落ちるためセキュリティカメラにもとらえやすく、万が一不審者がワークスペースの辿り着くまでの時間も稼げます。また、間仕切りを透明のガラス製などにしておくのもお勧めです。色々な人から見えることによる監視能力の向上だけでなく、光が入ることで人の動きが察知されやすくなり、不法侵入も起こりにくくなるという利点もあるのです。
まとめ
受付スペースの設置、施解錠システムによる入退室管理、セキュリティシステムとゾーニングレイアウトを合わせれば、安全性の高いオフィス空間にすることが可能です。株式上場をしている企業はもちろん、今後上場を目指す企業においてもとても大事な問題でもあるオフィスのセキュリティ。セキュリティがしっかりしている会社は社会的な信用が高いだけでなく、社員の働きやすさや安全性にもつながります。現状のオフィスの状態を把握しながら、正しいオフィスレイアウトを考えるようにしましょう。