オフィスのデスクレイアウトについては、組織変更のタイミングで行うことが多いのではないでしょうか。しかし、近年はそうした方法を取らず、業務効率や個人の生産性を上げることに重点を置いてレイアウトを考える企業も増えてきているようです。これはどのような理由によるものでしょうか。

組織変更とレイアウト変更

どの企業でも、組織変更は人事異動に伴って毎年のように行われています。オフィスでは組織変更に合わせてデスクレイアウトも変更されることが多いですよね。最もシンプルなケースは、同じ部署や同じチームがデスクを並べるパターンです。周囲のデスクでは同じ仕事を担当することもあり、作業を簡単に共有できたり、担当を割り当てて分担するなど、効率良く仕事をこなすことができるでしょう。

しかし、毎日同じ場所の同じデスクで仕事をすることで、個人のモチベーションが高まるとは限りませんよね。性格や仕事に対する考え方は人それぞれで、答えは一つではありません。近年ではこの点に注目して、個人の生産性を上げることを重視したオープンフロアが注目されているようです。これは、組織とデスク配置には何の関連もない、新しい考え方のオフィスレイアウトです。中には連続して同じデスクで仕事をしてはならない、としている企業もあり、毎日、新鮮な気分で業務に取り組めることによる業務効率アップを狙っているようです。

レイアウト変更と生産性の向上

しかし、オープンフロアで毎日デスクレイアウトが変わると、全員が必ず生産性を上げられるのかと言うと、必ずしもそうとは限りません。生産性を上げるためには、社員それぞれのやる気を引き出し、モチベーションを上げ、業務効率を高めることが求められます。また同時に、仕事に集中できる環境も必要になるでしょう。部署や業務内容によっては、一人で集中したいこともあるでしょう。

周囲で常に誰かが歩いていたりすると、気が散って集中できないこともありますよね。オープンフロアでは誰もがオフィス内を自由に行き来しますから、落ち着いて静かにじっくり作業に取り組める環境とは言えません。ただ、企業は一人で支えるものではなく、チームプレーが必要です。一人で集中して取り組む作業なのか、それともチームやグループで担当するべき作業なのかによって、レイアウトを選択するべきだと言えるでしょう。同じ部署でデスクを並べる必要は必ずしもありませんが、仕事の内容によってはメリットにもデメリットにもなるのです。

組織に合わせたレイアウト

企業の中での組織とは、同じ仕事、同じ作業を共有して行う一つのチームとみなすことができますよね。部署単位でデスクを並べると、デスクに座ったままでも話し合いができます。これまでの多くのオフィスレイアウトでは、部署単位でデスクを配置することが当たり前でした。

しかし、複数のチームや部署をまたぐ必要のある仕事が多い企業では、そのようなレイアウトは効率的とは言えず、生産性の向上は望めないかもしれません。つまり、オフィスレイアウトの内容は、組織のあり方や状況によって大きく左右されます。
たとえば、数ヶ月かかるプロジェクトの最中に、デスクレイアウトを変更することは得策とは言えず、生産性を落とすことにつながるでしょう。

しかし、一日一日の短期間で完了するような作業であれば、毎日違うデスクに座っても、作業自体に与える影響は少ないでしょう。オフィスレイアウトは、その企業の業務と密接な関係があり、作業の効率化に大きく影響します。また、会社移転などで白紙からレイアウトを考えるタイミングが、業務効率を見直すきっかけにもなることがあります。

まとめ

現代では、業務の効率化や生産性の向上を高めるために、幅広い視点が求められます。オフィスでのデスクレイアウトには、その企業のあり方や、業務に対する姿勢が隠されているのです。

レイアウトに工夫を凝らし、社員の生産性を高めることは、その後の企業の発展にもつながるかもしれませんので、これを機会に一度オフィスレイアウトが業務にどう影響しているかを考え、抜本的な見直しをしてみてはいかがでしょうか。