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2022年10月19日
オープン・イノベーションとは?採用メリットと成功ポイントを解説
グローバル化が急速に進む現代、顧客のニーズも多様化し、企業には柔軟な対応力が求められています。
そこで、多くの企業に注目されている経営手法が「オープン・イノベーション」です。
日本でも多くの企業・組織が採用し、着実に成果を出しています。
ただ、オープン・イノベーションに対して、以下の疑問をおもちの方もいらっしゃるでしょう。
「そもそもオープン・イノベーションとは何なのか?」
「採用するメリットは?リスクはないのか?」
「成功するポイントは?」
この記事では「オープン・イノベーションとは?」について、定義や採用するメリット・デメリットと併せて、成功されるポイントなど皆さまの疑問が解消できる情報をご紹介します。
目次
オープン・イノベーションとは?
オープン・イノベーションとは、どんな経営手法なのか?
この章では、オープン・イノベーションの基本的な定義と、従来のクローズド・イノベーションとの違いをご説明します。
定義・目的
オープン・イノベーション(Open-Innovation)とは、新たな技術開発や研究開発において、自社以外の企業・組織がもつリソース(資源・資産)を取り込んで活用する経営手法になります。
主な目的は、外部リソースを柔軟に活用して、新たなInnovation(革新)を達成すること。
現実的に自社のリソースだけでは創造できない製品・サービスが、オープン・イノベーションの採用で可能になるでしょう。
オープン・イノベーションは2003年に米国の経営学者であるヘンリー・チェスブロウ教授によって提唱され、日本の企業・組織でも採用が進み大きな成果を出しています。
クローズド・イノベーションとの違い
オープン・イノベーションと対照的な経営手法が「クローズド・イノベーション」になります。
クローズド・イノベーションとは、技術開発や研究開発について、すべて社内組織のリソースを活用する従来型の経営手法です。
両者の違いを簡単に表すと以下の通りになります。
- オープン・イノベーション:外部リソースを積極的に活用して新たな製品・サービスを創造
- クローズド・イノベーション:すべて社内リソースを活用して製品・サービスを創造
現在、多様化する顧客ニーズに対応するため、クローズド・イノベーションから脱却する企業が増えています。
オープン・イノベーションが注目される理由
オープン・イノベーションが注目される理由として、以下の3つのポイントが挙げられます。
- 顧客ニーズの多様化
- プロダクトライフサイクル※1の短期化
- クローズド・イノベーションでは補えない自社リソースの不足
※1 プロダクトライフサイクルとは、特定の製品・サービスが提供されてから需要がなくなるまでのプロセス。
現在、多様化する顧客ニーズに対応するため、次々に新たな製品・サービスが開発・製品化されています。
しかし、プロダクトライフサイクルが短期化しているため、多くの企業で自社のリソースだけでは開発力を維持するのが困難な状況にあります。
そこで、自社のリソースでは補えない発想や技術力を、外部の企業・組織から取り込んで活用するオープン・イノベーションが注目を集めているのです。
オープン・イノベーション採用のメリット・デメリット
オープン・イノベーションを採用すれば、さまざまなプラスの効果をもたらしてくれます。
しかし採用にあたって、メリットだけではなくデメリット面もあるので注意が必要です。
オープン・イノベーションのメリット
オープン・イノベーションを採用するメリットは以下の4つのポイントが挙げられます。
- 自社にはない発想や技術力の獲得
- 多様化する顧客ニーズへの対応力強化
- 新たな製品開発にかかるコストの削減
- 事業推進のスピード化
オープン・イノベーションは、外部リソースを取り込んで活用できる点が大きなメリットです。
それに伴い、顧客ニーズへの対応力が強化できるほか、製品開発のためのコストの削減や事業推進のスピード化も図れます。
オープン・イノベーションのデメリット
オープン・イノベーションの採用にあたり、以下のデメリットには注意が必要です。
- 情報漏えい
- 自社の開発力および発想力の低下
- 他社との利益配分や費用負担に関わるトラブルの発生
オープン・イノベーションでもっとも憂慮すべき点は、情報漏えいです。
自社の技術やアイデアを外部に提供する場合は、事前に情報の取り扱いに関わるルールを策定するなどの対策が求められます。
オープン・イノベーションを成功させるポイント
近年、顧客ニーズの多様化によって、企業間でオープン・イノベーションが積極的に行われています。
しかし、採用すれば必ずしも成功するとは限りません。
オープン・イノベーションを成功させるには、以下のポイントを認識したうえで実践する必要があります。
- 最終的な目的の明確化
- メリット・デメリットの把握
- 担当者の固定
オープン・イノベーションを成功させるためには、採用するメリット・デメリットを把握したうえで、具体的に「どの企業のどんな技術・アイデアを取り入れたいのか」、最終的な目的の明確化が重要になります。
最終的な目的が不明瞭な場合、オープン・イノベーションの採用だけが目的になるケースが多く見られます。
そのほか、オープン・イノベーションを推進する際は、担当者の固定化が理想です。
オープン・イノベーションは外部の企業・組織と連携を取りながら推進するため、担当者が頻繁に変わってしまうと、ミスや情報漏えいが発生するリスクが高まります。
まとめ
オープン・イノベーションは、新たな技術開発や研究開発において、他企業・組織が持つリソースを取り込んで活用する経営手法です。
自社のリソースでは補えない技術力やアイデアを、外部から取り込んで活用できるため、多様化する顧客ニーズへの対応力強化など、さまざまなメリットが期待できます。
しかし、メリット・デメリットを正しく把握していないと、企業間でトラブルが発生するほか、提供する技術・アイデアなどの情報が漏えいする危険があります。
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