これまでのオフィスでは、オープンな空間が主流でした。しかし、最近ではパーティションを導入する企業が増えてきています。また、それと同時にパーティションの種類も増加していることをみなさんはご存知でしょうか?

日本に限らずアメリカでも、オフィスで働く労働者の約7割は仕切りがないスペースで作業を行っていると言われています。そして、そのうち5割以上が騒音や雑音に、4割が視覚的なものや室内温度に不満を持っていることが、心理学関係の雑誌の満足度調査でわかっています。

こうした環境は、病原菌の拡散やプライバシーの欠如をもたらし、病気による欠勤日数やストレスの増加につながることもあるなんて言われています。そんな悩みを解決してくれるモノとして、今パーティションが注目されています。今回は、用途によって異なる様々なパーティションをご紹介するとともに、そのメリット・デメリットに触れていきたいと思います。

パーティションって何?その機能って?

パーティションは、オフィス空間の仕切りや衝立に使われるもので、その材料や種類、使い方は企業や目的によって変わります。さきほどの調査結果では、音に対する不満が多く、特に「耳に入って来る音のコントロールができない」「自分の話す言葉が周囲に聞かれてしまう」という悩みが挙げられていますが、パーティションはその問題の解決につながると期待されているのです。

また、パーティションでオフィスを区切ることは「従業員同士のコミュニケーション強化」や「生産性向上」にもつながるとも考えられています。しかし、それはパーティションの高さに関係があり、これが低いとストレスが発生しやすくなると言われています。最近のベンチャー企業では、デザイン性や機能性、コンセプトをしっかり考えた作りがなされるようになって来ています。

用途別に様々なパーティションがある

パーティションには、簡単な衝立のようなタイプのものから、床から天井までの空間を仕切れる壁のようなタイプのものまで様々な種類が存在します。

高さのある場合、基本的な幅は900ミリか1200ミリで、パネルを互いにつなぎ合わせて施工されています。高さは1800ミリから2100ミリ、2400ミリといった寸法があり、天井へ届く場合は、レールを取り付けて施工を行うことで、気密性や保温性、断熱性に優れたものになります。材質としては、アルミやスチール、ガラス製のものが多くありますが、施工には費用と手間がかかります。

高さの低い場合は、1200ミリから1500ミリで、よくデスク回りを囲うのに使われます。コの字型や十字型に設置すると安定性が良く、費用も1枚当たり1万円から1.5万円ですので、機能性とともにコスト面でも優れているとされています。さらには自立式と呼ばれるものもあり、これは置くだけという簡単な設置に特徴があります。

パーティションのメリット・デメリット

高いパーティションのメリットは、気密性や保温性、防音性に優れていることで、欄間部分を開放したり、ガラスを入れて光を多く採り入れたりすることが可能です。デメリットとしては、空調設備や消防設備を個別に設けることもあり、施工に手間と費用がかかることになります。

低いパーティションは、座ったときの目線を隠すとか、デスクの上の書類が他人から目に入らないというメリットがあります。デメリットとしては、遮音性がないので音に対するストレスが発生する可能性があることが挙げられます。また、身動きできるスペースが狭くなり動線で気をつかう必要も出て来ます。

自立式は、安定脚がついているので簡単に移動できるというメリットがあります。また、サイズや素材も豊富で色々な使い方ができるという特徴もあります。デメリットとしては、簡単に移動したり倒れてしまったりする危険性があり、他のパーティションに比べ、目隠しや防音性はあまり高くないと言われています。

まとめ

環境心理学関係の雑誌の調査によると、仕切りのないオフィスでは、騒音や雑音、その他の要因でストレスを抱えてしまうことが多いとわかっています。これに対し、仕切りのあるオフィスでは、これらの問題の解決につながり、その用途は企業ごとで異なります。

今のパーティションは、高いものと低いもの、置くだけのものと3種類のものが一般的に知られています。高いものは気密性や保温性があり、低いものは座ったときに目線を隠したり、デスクの上の書類が目に入りづらかったりというメリットがあります。

また、自立式のものは簡単に設置できたり、移動が出来たりという特徴を持ちます。いずれのパーティションにもメリットはありますが、それと同時にデメリットもあります。ここをしっかり理解し、目的によって使い分けることで、より良いオフィスをつくっていきましょう。